つわ者共の村


夏草や つわ者共の 夢の跡

 松尾芭蕉が「奥の細道」で奥州藤原氏の栄華盛衰の儚さを憂いて「夏草や 兵どもが 夢の跡」とうたった。「兵どもが」か「つわ者共の」と多少の違いはあるにしろ、植物学者としてメキシコシティーの大学教授にまでなった日系人松田英二氏も同じ詩を残している。

 メキシコシティーから南西に1100km、メキシコ南端のチアパス州ににアカコヤグアという小さな村がある。その小さな村の緑豊かな中央公園には、真っ白な記念碑が青空に突き刺さるように建っていた。前面には「榎本殖民記念」、後面には「夏草や つわ者共の 夢の跡」と形作られた金色の鉄板が打ち込まれて。この碑は榎本殖民70周年を記念して建てられ、その碑には日系人を代表して故松田英二氏の字が採用されている。

 今回の訪問で、「山本」そして「光子」という名をもつ二人の少女に出会った。松田英二のいう「つわ者共の 夢の跡」はまだしっかりとこの村に残っていた。

次へ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送